どんなに食べても太れないというのは、筋トレで身体を大きくしたい人にとって、非常に大きな問題でしょう。
こんなに食べて筋トレしているのにどうして、、、
痩せ体質の方の多くは、変わらない体型に疑問やイラ立ちを感じているのではないでしょうか。
筆者であるぼくも、筋トレを始めてから約2年になりますが、これまでずっと太りにくい体質に悩まされてきました。ぼくより1年ほど遅く筋トレを始めた友達が、数カ月でぼく以上に身体が大きくなっているなんてこともしばしば。
ただ、自分の体質を理解し、痩せ型に合った食事とトレーニングを取り入れれば、どんなに痩せている人でも結果を出すことができます!
ぼく自身も、筋トレ開始当初50キロだった体重を、約2年で65キロまで増やすことができました。
そこで、本記事では痩せ型が筋肥大するための知識と方法を紹介していきます!
自分の体型について知ろう!体格指数BMI!

ボディメイクをするには、まず自分自身の体型について知らなくてはなりません。
そこで、そもそも自分は本当に痩せ型なのか、実際の指標から確認してみましょう。
肥満や痩せ型を定義するひとつの基準として、BMI(Body Mass Index)という指標があります。この指標は、身長と体重の関係から簡単な計算式で算出することができます。
計算式
BMI値=体重(kg)÷(身長m×身長m)
例)身長171cm、体重68kgの場合
68÷(1.71×1.71)=23.26
となります。
数値の基準としては、“22”が標準体型で
「低体重」 18.5 未満
「普通体重」 18.5以上25未満
「肥満」 25 以上
自分がどこの値に属するか、この記事をきっかけにもう一度確認してみましょう!
なぜ痩せてしまう⁉ ガリガリになってしまう人のメカニズムと解決法

ここからは痩せやすい体質の特徴を分析し、太れない原因とその解決策を具体的に説明していきます。
本記事で挙げる“身体が大きくならない理由”というのは、以下の4つです。
・摂取カロリーが足りていない
・食事内容(栄養バランス)が悪い
・睡眠時間が十分でない
・高重量を扱えていない
ひとつずつ見ていきましょう。
摂取カロリー
なかなか太れない原因を探るとき、最も疑うべきは摂取カロリーです。
いくら食べても太れないという皆さんからすれば、もはや聞き飽きた指摘といえるでしょう。
ただ、これを機会にもう一度、自分自身の食事を振り返ってみて欲しいのです。
本当にその摂取カロリーで、あなたの身体は大きくなれるでしょうか。
まず、日本の成人男性がじっとしているだけで消費するカロリーは平均1500kcal、
女性は平均1200kcalとされています。
そこに日常的な仕事や筋トレで消費するカロリー加えると、1日の消費カロリーは最低でも約2600kcalということになります(詳しい計算は後ほど説明します)。
さらに、筋肥大を実現させるとなると、その数値から約500kcalほど上回る必要もあるため、合計すると1日に約3100kcalは摂取しなければなりません。
3100kcalというのは、お茶碗13杯ほどの量に相当するため、おかずのカロリー分を考慮したとしても、三食のうち毎食1~2杯はおかわりしなくてはならない量といえます。
上記の数値はあくまで平均的なもの(筋トレをしている想定)に過ぎないので、もし自分にとって本当に必要な食事量を知りたいのであれば、以下の計算式を参考にしてみてください。
消費カロリー = 基礎代謝×生活活動強度指数
生活強度指数
・1.3(低い)
・1.5(やや低い)
・1.7(適度)
・1.9(高い)
(筋トレをしている人は1.9をかけていただいて問題ありません。)
基礎代謝は平均の1200~1500kcalで当てはめてもいいですが、痩せ型の人は平均よりも代謝がいい場合もあるので、少し高めの数値で計算することをおすすめします。
また、自分の基礎代謝を正確に知りたいという方は、ジムなどで除脂肪体重(体重から体脂肪を除いた筋肉や骨、内臓などの総重量)を計っていただき
除脂肪体重×28.5
こちらの計算式で基礎代謝を算出してみてください。
ともかく、痩せ型が身体を大きくするためには、相当な量の食事が必要なのです。 ぼく自身も、人よりたくさん食べている自信はありましたが、実際に計算してみると200kcalほど必要量に達していないということもありました。
それくらい、カロリーは意識していないと必要量を摂取することが難しいのです。
続いては、その食事の肝心な内容と質について触れていきます。
食事内容
筋肥大において、最も意識するべき栄養素はPFCバランスです。
PFCとは、簡単に言うと
・たんぱく質(Protein)
・脂質(Fat)
・炭水化物(Carbohydrate)
上記の3つの栄養素を指します。
これらの栄養素はそれぞれ役割が違うため、バランスを考えて摂取する必要があります。
炭水化物、脂質、たんぱく質の役割は以下の通りです。
炭水化物
筋肉にとってのエネルギー源。
炭水化物を摂取することによって得られる“グリコーゲン”は、筋トレなどの激しい運動をする際に欠かせないエネルギーとなります。グリコーゲンが減ると、代わりのエネルギー源として筋肉を分解してアミノ酸を作ってしまうため、炭水化物は筋肥大に欠かせません。
脂質
水分の次に身体に多く含まれる成分。
他の栄養素と比べて1gあたりのエネルギー量が多いため、効率よくカロリーを摂取できます。ただし、摂りすぎると内臓脂肪となって身体に溜まっていくため要注意。
たんぱく質
筋肉を作る役割を持ちます。20種類のアミノ酸から構成されていますが、そのうち9種類の必須アミノ酸は体内から生み出すことができません。そのため、肉や魚などの食事やプロテインドリンクで補う必要があります。
筋肥大を目指すのであれば、たんぱく質20~30%、脂質20~25%、炭水化物45~60%
ほどの割合で摂取していくことが理想的とされています。
例
1日にタンパク質を20%摂取する
1g= 4kcal
3100kcal×0.2=620kcal
620kcal÷4kcal=155g
1日に脂質を20%摂取する
1g=9kcal
3100kcal×0.2=620kcal
620kcal÷9kcal=69g
1日に炭水化物を60%摂取する
1g=4kcal
3100kcal×0.6=1860kcal
1860kcal ÷4kcal=465g
こうして見ると、本当に筋肥大にとって必要なバランスで栄養を摂れているのか、改めて自分自身の食事を振り返ることができますよね。
特に、たんぱく質は意識していないと必要な量を摂取できていない場合があるため、それを防ぐためにもプロテインドリンクは非常に重要となる訳です。
具体的なたんぱく質の摂り方については、別途の記事で詳しく解説しておりますので、気になる方は下記のURLからチェックしてみてください!
五大栄養素以外の要素
五大栄養素のほかにも、筋肉の成長を支える“影の仕事人”が存在します。
トレーニーである皆さんは、筋肉を大きくするためにも、そういった一見目立ちにくい部分の栄養に目を向けなくてはなりません。
そこで、ここからは特に筋肉にとって相性のいい栄養素を3つ紹介します。
クレアチン
アミノ酸の一種。
筋トレをする際のエネルギー供給と疲労軽減を助ける効果があり、パフォーマンスの向上が期待できます。パフォーマンスが向上すれば、自ずと高重量が扱えるようになるため、筋肥大にとっても大きなメリットがあるといえるでしょう。日常生活に必要な量は肉類や魚類から摂取できるものの、強度の高いトレーニングをしている方はサプリメントなどからも追加で取り入れることをおすすめします。
ビタミンD
筋トレの前後に取り入れることが推奨されています。たんぱく質とカルシウムの吸収を補助するため、丈夫な身体を作りつつ、筋肥大させることが期待できます。また、ビタミンDは皮膚からも生成できるという特徴があるため、日光浴をすることでも補給できるという優れものです。1日5.5μgほどを目安に摂取してみてください。
オメガ脂肪酸
筋肉の疲労回復と炎症を抑える効果が期待できます。身体を保護する要素が強いため、その分トレーニングの強度を上げることが可能になるでしょう。ただ、オメガ脂肪酸は体内で生成できないため、主に青魚やナッツ類、サプリメントから補充する必要があります。推奨される摂取量は1日に1.6~2.2gです。
ダーティバルクは良い、悪い!?
痩せ型のひとが身体を大きくするための方法として、ダーティバルクと呼ばれるボディメイク法があります。
この方法は、栄養バランスなどを考慮せず、ひたすらハイカロリーな食事を摂りながらハードなトレーニングをこなすという、大胆かつシンプルなやり方です。
個人的に、痩せ型の体型が改善されず悩み続けるくらいなら、一度でいいのでダーティバルクを行ってみることをおすすめします。
というのも、筋肉はオーバートレーニングにより増加し、それに伴って重量を伸ばしていくことができます。
体脂肪が付きにくいというメリットと、筋肉が付きにくいというデメリットを抱えている痩せ型の人にとって、ダーティバルクは非常に相性がいいといえるでしょう。
ぼく自身のことで言うと、ダーティバルクをした方が身体は大きくなった実感がありましたし、基礎的な身体の幹は、ひたすらカロリーを摂っていたダーティバルクの時期に出来上がったと感じています。(腹筋はさすがに隠れましたが…)
ただ、もちろん個人差もあるため、体調に異常をきたしたり、目に見えて脂肪が増えてきた場合には食事を見直すことをおすすめします。
ちなみに本サイトの運営メンバーの中には、ジャンクフードで付いた筋肉よりも、お米や鶏胸肉を食べて身に付けた筋肉のほうが絞ったときに残りやすかったと話す人もいました。
そういったデメリットも理解した上で、自分の身体が一向に変化しないと感じているなら、ダーティバルクという少し大胆な戦法に出てみるのもいいかも知れません。
睡眠
食事の大切さを改めて実感したところで、続いては自身の睡眠について振り返ってみましょう。
あの大谷翔平が毎日10時間ほど睡眠を摂っているなんて情報もありますが、アスリートにとって休息はトレーニングと同じくらい大切な要素です。
筋肉は寝ている間にこそ修復され、大きく成長しています。
具体的なメカニズムとしては、睡眠中に筋肉の回復と強化を促す成長ホルモンと、合成の役割を果たすアナボリックホルモンが多く分泌されているため、筋肥大が起こるという訳です。
そういった成長のためのゴールデンタイムが睡眠不足になると妨げられてしまうため、やはり筋肉の成長に睡眠は欠かせません。
また、寝不足というのはパフォーマンスの面にも大きく影響を及ぼします。
寝不足が続けば、当然疲労回復がしにくくなり、疲れから筋トレに対するモチベーションは下がります。
かろうじてジムに行けたとしても、そこでのパフォーマンスは元気な状態と比べて、質も重量も下がることは避けられません。
つまり、強い継続力が求められる筋トレにおいて、寝不足からくるメンタルの低下は最もやっかいな敵といえるでしょう。
ぼく自身も経験談としても、たくさん睡眠が摂れてコンディションがいい日と寝不足が続いて力が出ない日では、さいごの追い込みに差が出ます。たとえ、1、2レップ程度の差であったとしても、常に新しい刺激を受けて成長していく筋肉にとっては致命的な停滞といえるでしょう。
ですので、筋トレをしている方は、最低でも7時間以上の睡眠を心がけてください。
仕事や学業で忙しいという方は、昼寝をうまく活用するでも構いません。10分程度の仮眠だったとしても、疲労回復の効果が見込めることは科学的に証明されています。
ともかく、一日の中で睡眠を十分に摂ることが、筋肉の成長に繋るのです。
また、就寝の時間は、午後22時から午前2時の間がベストです。
この時間に睡眠を摂ることで、成長ホルモンによる回復がより効率的に行われることが期待されます。
高重量こそ筋肥大に繋がる!
さて、ここまで食事や睡眠などの生活面に焦点を当ててきましたが、さいごに筋肥大できない最も核心的な原因に触れていきます。
痩せ型が成長できない大きな原因、それは高重量を扱えていないことです。
筋肉が成長するためには、常に新しい刺激を加える必要があります。この仕組みは”過負荷の原則”に基づいており、通常よりも高い負荷をかけることで、筋肉が適応しようと大きく成長することを示しています。
つまり、効いてる感じがするからといって重量を伸ばさない方は、筋肉の成長が止まっている可能性が高いということです。
そういった事態を防ぐためにも、みなさんには”2for2ルール”に基づいて重量を増やすことをおすすめします。
2for2ルールとは、2回連続で最終セットにおける限界重量を2レップ以上増やすことができた場合、次回のトレーニングから強度を増やすという方法です。
いわば重量を上げるうえでの基準となるものですね。
例えば、毎週月曜に60キロのベンチプレスを「10回3セット」こなしている人が、ある日12回挙げられたと仮定します。その場合、翌週の月曜も最終セットに12回を挙げることができれば、それが重量を上げるタイミングとなります。
適切な重量としては、やはり1セット目に8〜12レップ、最終セットで6〜10レップほど挙げられるくらいが適切でしょう。
15レップほどできてしまうような重量だと、筋肥大というよりは引き締まった身体ができてしまいます。
筋トレの目的や目指す身体は人それぞれだと思いますが、あくまで筋肉を大きくしたいという方は、6〜12レップに収まるくらいの高重量を扱いましょう。
まとめ

本記事では、痩せ型が筋肥大できない原因とその解決法について解説してきました。
食事、睡眠、トレーニング法というのは、決して痩せ型の方だけに当てはまることではなく、ボディメイクにおける基本的な要素といえるでしょう。
ただ、痩せ型の人が身体を大きくするには、人一倍そういった部分への配慮をしなくてはならないのです。
本記事が、ぼくと同じように痩せ体質で悩む方々の”気づき”になることを願っています。
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