トップボディビルダーたちのタンパク質摂取量に迫る!(IFBB JBBF ボディビル フィットネス世界大会 優勝者たちの実態)

選手特集

有明コロシアムで開催された「IFBB JBBF ボディビル フィットネス世界大会」。世界トップクラスの選手たちが一堂に会し、競技だけでなく彼らの日常や食生活が注目を集めました。なかでも、筋肉を維持・発達させるための要となる「タンパク質摂取量」に関しては、彼らがどのような戦略を取っているのかが話題になっています。
そこで、本記事では、各部門で優勝した選手たちのタンパク質摂取量とその食事習慣について掘り下げ、普段から筋トレに励んでいる筆者自身の気づきを交えながら解説していきます。

トップ選手の驚異的なタンパク質摂取量

メンズフィジークマスターズ 第1位:八木佑樹選手

体重70kgの八木選手は、1日のタンパク質摂取量を130~140gに設定しています。体重の約2倍に近い量で、筋肉の維持に必要な最低ラインを超えた計算です。この量を見て、意外と「少なめ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、必要以上の過剰摂取をせず、効率を重視した方法で体づくりをしていることが伺えます。

マスターズメンズゲームスクラシックボディビル(40歳以上級) 第1位:井上裕章選手

井上選手は摂取カロリーの約7割をタンパク質で補っており、その量は1日300~400g。ホエイプロテインのプレーン味を愛用し、固形物だけでなくプロテインパウダーを効果的に活用しているのが特徴です。この摂取量は非常に多く、年齢を重ねてもトップを維持するための並々ならぬ努力が見えます。

マスターズメンズゲームスクラシックボディビル(175cm超級) 第1位:白井寬人選手

白井選手は体重の5倍に相当する400gものタンパク質を、わずか3食で摂取しているそうです。さらに驚くべきは、鹿肉を自ら狩り、それを主なタンパク源としている点。狩猟による自給自足はコストパフォーマンス抜群かつ野生的な生活スタイルですが、これを実行できる人はかなり限られるでしょう。このエピソードには思わず笑みがこぼれましたが、「そこまで徹底できるのか」と感心しました。

クラシックボディビル(175cm以下級) 第1位:小澤亮平選手

小澤選手は1日250~300gのタンパク質を摂取しています。減量期でもタンパク質摂取量を極力落とさない工夫をしており、安定した体づくりが感じられます。

クラシックボディビル(171cm以下級) 第1位:五味原領選手

五味選手は1日160gのタンパク質を摂取しているとのこと。減量期には魚をメインにした食事を選び、好きな魚はブリだそうです。良質な魚の脂質を取り入れるのは、減量期の体調管理には理にかなっています。

ボディビル(75kg以下級) 第1位:嶋田慶太選手

嶋田選手は300gのタンパク質を切らないよう徹底。体重の約3.5倍という数値はトップビルダーとしては標準的ともいえるでしょう。彼自身、「5年前はもっと摂取していた」と語っており、筋肉の成長段階に応じてタンパク質量を調整している様子が伺えます。

ボディビル(85kg級) 第1位:木澤大祐選手

木澤選手は1日250gのタンパク質を摂取していますが、かつては体重の5倍を超える量を摂取していたそうです。「筋肉が付いている時代は浴びるほど摂る」という発言から、筋肉を成長させるためには一定の段階で極端なタンパク質摂取が必要だという考えを持っていることが分かります。特に彼の「胃を強くするために噛まずに飲み込む」というエピソードには驚愕しましたが、ここまで追い込む意志が彼の強さの秘訣なのでしょう。

トップ選手に共通していること

今回、各選手のタンパク質摂取量を調べる中で共通して感じたのは、「圧倒的な量」と「固形物を優先している」という点です。
食事でしっかりと栄養を摂ることが基盤になっており、プロテインパウダーはあくまで補助的な位置づけという選手が多い印象を受けました。

私自身、トレーニングをしている身として、タンパク質を意識した食生活を送っているつもりでしたが、彼らの摂取量には遠く及びませんでした。特に、1日400gものタンパク質を摂る白井選手や井上選手のような摂取方法には驚かされます。

同時に、自分の食事量や質を見直す必要があるとも感じました。 トップビルダーたちは、食事そのものをトレーニングと同等の重要性で捉えています。時間がないときはプロテインで補うこともありますが、基本的には固形物からの摂取を重視しています。この姿勢は、トレーニングをしている私たちが見習うべきポイントです。

ただ、これほどまでに過剰な量のたんぱく質を摂取する必要はあるのでしょうか。
続いては、なぜビルダーが大量のたんぱく質を摂取するのか、一般人である私たちにはどの程度の量が必要なのかについて解説していきます。

トップビルダーはなぜ多くのたんぱく質を摂取する?

トップビルダーたちがたんぱく質を多く摂取する理由、それは単純に1日の活動量が多いからです。

一般的に、1日の総カロリーの10~35パーセントをたんぱく質で補うことが推奨されているのですが、トップビルダーたちは私たちよりも遥かに多くのカロリーをトレーニングで消費します。
また、筋肉量が多いと消費カロリーも高まるため、その分たんぱく質も多く摂取しなくてはなりません。

一方、一般的な成人の場合は、体重1kgあたり0.8gほどのたんぱく質で健康維持の観点からは十分とされています。
アスリートでもない限り、日常的に筋トレをしている方でも体重1㎏につき1.2~1.5gほど摂取していれば十分です。

あまりにも過剰摂取すると肝臓に負荷がかかってしまうため、自分にとって必要な量を摂り入れるよう注意しましょう。

まとめ

トップビルダーたちの食事を見ると、彼らの並々ならぬ競技への覚悟や熱意が伺えますね。
人とは違うレベルで努力しているからこそ、彼らは大舞台で結果を出せたのでしょう。

筋トレをしている私自身も、本記事の執筆を通してさまざまな気づきがありました。

固形物を優先したタンパク質摂取や、減量期に良質な脂質が摂れる魚をメインにすること、それらはトップビルダーが長年かけて積み上げてきた経験による知恵であり、それをSNSなどを通して知れる現代は本当に恵まれてるといえます。

タンパク質摂取量は筋肉づくりの要であり、その量や質をいかに高めるかが重要です。ボディメイクに励むみなさんが、これを機に食事への意識をさらに高め、筋肉を増やすための食生活を追求できることを願っています。

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